MEDの森の対話 その2 をお送りします。
プレゼンイベントを10年以上続けてきましたが、
頭を悩ますのがプレゼンターの選出です。
MED Japanの秋のイベントでは1年かけてプレゼンターを探し求めるのですが、
ご参加いただく聴衆の皆様のご満足のいく内容にまで高めるために
かなり苦労しています。
MEDに限らず、あらゆるイベント主催者は共通の悩みを抱えていると思います。
それぞれのイベントに相応しい人を選出しなければなりませんから…。
書かれたものが秀逸だとしても、
実際に壇上でお話いただくと残念な結果に終わるということもあります。
学術集会などでの研究結果を発表するときや普段の講演は素晴らしくても、
MEDのような一般に開かれたプレゼンテーションの場では
持てる力を発揮できない方もいらっしゃいます。
前者は演者の得意とする分野に何らかの関わりのある人たちが対象になるため、
クローズド・プレゼンと命名しています。
一方、MEDのように広く社会に向けてのものを
オープン・プレゼンと呼んでいます。
どちらも私の勝手な命名です。
オープン・プレゼンの場合、「人となり」がより前面に出るような気がします。
それだけにMEDのプレゼンター選出には気を使うのです。
人物が問われているのです。
では、そのような人物を見分けるにはどうしたら良いのでしょう?
森の対話 その2 をご覧ください(約15分間)。
プレゼンターにはエゴをコントロールする力だけではなく、
自己限定をしない心構えも必要だと感じました。
また、聴衆として参加される方において
専門的知識を学ぶというよりも
人としての生き方を学ぶ場になるはずだという話になりました。
そして、本日のメルマガのタイトルに掲げた
アルピニストとバックパッカーに例えられる2種類の社会起業家の話になります。
前者はかなり難しい社会問題を解決してしまう稀有の人材です。
多くの人が同じようにはできないと感じてしまうような孤高の存在です。
一方、後者のバックパッカーは、身近な社会問題にチャレンジして
拙いながらもコツコツと努力し続けるタイプです。
この場合、多くの人が「自分にもできるかもしれない」と思わせてくれるような存在です。
両者に優劣はありません。
どちらも素晴らしい存在です。
これは社会企業家に限った話ではないのでしょう。
人物に見分け方にも当てはまるのだと思います。
日本社会、日本文化には、
バックパッカー的なスタイルに親和性がありそうだとの指摘がありました。
バックパッカースタイルの良い点は、多くの人が参画できることです。
より多くの人が当たり前のように社会起業家的な生き方をし、
互いに支え合う社会を作っていくことができるのかもしれません。
対話の中で紹介された最澄の「一隅を照らす」という思想は、
日本社会では働く全ての人が社会起業家になっていくことを暗示しているように思えてきます。
日本社会の新たな可能性が感じられます。
MEDでは、無数のバックパッカーたちに
光を当てていくことを意識したいと思います。
次回は、森の対話 その3 をお送りします。
「社会を良くする方法」について話が進んでいきます。ご期待ください。
つづく
(2022年9月14日 )