MED 2022 特別トークセッションの中で、
岡田武史さんが何気なく話されたベーシックインフラに興味を持ちました。
ベーシックインカムについては多少知っていましたが、
ベーシックインフラについては予備知識がなかったので
ちょっと調べてみました。

まずはベーシックインカムについて復讐してみます。
第49話に書きましたので関心のある方はどうぞ。

ベーシックインカム(basic income)とは最低限所得保障の一種です。
政府がすべての国民に
最低限の生活を送るのに必要とされる額の現金を
無条件で定期的に支給するという構想です。
平たく表現すれば、
すべての人に無条件で現金を配る制度となります。
誤解している人もいらっしゃるかもしれませんが、
「申請主義」に基づく生活保護とは全く別の制度です。

この時、まず気になるのが財源です。
経済学者たちが様々な案を出しています。
一切の社会保障制度の費用をベーシックインカムに回せば
一人当たり毎月7万円以上を給付できるという説があります。
いや10万円以上可能という説もあります。
その代わり、それ以外の救済策は一切準備されず、
国の責任はベーシクインカムを給付するだけとなるようです。
あとは自己責任ということになります。
どこか無機質な冷たい社会の印象を持ちます。
今以上に幸福度の格差が生まれてしまいそうです。

という訳で、私にはベーシックインカムが
国民の生活を豊かにし、幸福度を上げる持続可能な制度にはどうしても思えません。
今日の金融至上主義の経済に一石を投じることはできても
経済格差を是正することには繋がらないと思います。

では、ベーシックインフラを見てみましょう。
こちらについては、あまり情報が見当たりません。
岡田武史さんが、今治市でそれを目指しているというのは
相当に先駆的な取り組みなのだと知りました。
もうすぐ完成するサッカースタジアムを拠点に
様々な生活インフラを整備していくそうです。
そこでは、マネタリーベースの経済ではなく、
目に見えない経済を導入していくというユニークな発想です。
多くの人々が使わなくなった物や余力のあるサービスを持ち寄ります。
人々がお金を介して経済活動をするだけではなく、
恩を介しての経済活動をプラスして生活していくのです。
最初は目に見えない経済の比重は軽いのでしょうが、
徐々に増やしていく構想のようです。
世界中には、様々なエコビレッジの実例もありますので、
夢物語ではなさそうです。
何より岡田さんが語ると実現できそうな気がしてくるから不思議です。
(まだ見ていない方はこちらをどうぞ。)

さらに、ベーシックインフラについて調べてみたら、
なんと、第144話で紹介した矢田明子さんに辿り着きました。

矢田さんが率いるCommunity Nurse Company 株式会社が
内閣官房デジタル田園都市国家構想推進交付金デジタル実装タイプに採択され、
北海道更別村でベーシックインフラのサービスを始めたというのです。

矢田さん、やっぱりスゴイです!

矢田さんの話も人をワクワクさせますね。

ベーシックインフラは「小さく産んで大きく育てる」戦略が適しているようです。
同様に「目に見えない資本主義」も「小さく産んで大きく育てる」ことができそうです。

となると、その萌芽は既に日本中で始まっているのかもしれません。
目に見えないだけに…。

ワクワク、ドキドキしてきました。
皆さんは、どう感じられましたか?

(2022年11月16日 )

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